私たちの家庭生活は全てが電気で成り立っているといっても過言ではありません。
電気は私たちの生活を豊かで便利なものにしてくれますが、
反面扱い方を間違えると火災を引き起こす危険なものでもあります。
そして、電気による火災の大きな原因の1つが「漏電」です。
●漏電とは
漏電を簡単に言うと、本来の電気の流れとは違う方向に電気が流れることです。
例えば、水道管に穴が開いて水が外に漏れることを漏水と言いますが、電気が電気コードから漏れるのが漏電です。
実は、電気コードは外に電気が漏れないように、絶縁体という電気を通しにくい物質で覆われています。
従って、人が触っても感電することがありません。
ところが、この絶縁体が機能せずに、電気が外に流れてしまった状態が漏電です。
●漏電の発生原因
漏電といっても、その原因には様々なことが挙げられます。
1)絶縁体の劣化
漏電の多くは、電化製品や電気コードなどに使われている絶縁体の劣化が原因です。
一律的には言えませんが、購入から約5年以上経過した電化製品に関しては、漏電を起こす可能性を秘めています。
2)住宅の老朽化
住宅の屋根や外壁が老朽化するとそこから雨漏りが発生し、
その雨が電気ケーブルに影響を与えて漏電の原因となることがよくあります。
仮に、強い雨が降るたびに電化製品が使えなくなる場合は、漏電の疑いがあります。
3)タコ足配線
家庭内でよく見られるのがタコ足配線です。
コンセントに電源タップを挿し、そこに何本もの電気コードを繋げるのがタコ足配線です。
ただし、1つのコンセントに流せる電流の量は最大で15アンペア(1500ワット)と決められています。
電源タップを使用することでそれ以上の電気が流れると漏電の原因になります。
4)トラッキング現象
コンセントにプラグがしっかり挿し込まれていないと、そこにわずかな隙間ができます。
その隙間にホコリがたまり、空気中の水分を吸収すると漏電に繋がります。これをトラッキング現象と呼んでいます。
●漏電の確認方法
漏電を確認できれば、火災の危険を排除することができます。漏電の確認には以下の方法があります。
1)電気使用量の大幅な増加
電化製品の使用が変わったわけでもないのに、電気料金が従来の料金より急激に増えた場合は漏電が原因かもしれません。
早急に毎月の電力使用量を確認した方が賢明です。
2)漏電ブレーカーで漏電箇所を特定
漏電を自分で確認するには、漏電ブレーカーを利用するのが一番簡単です。
漏電していると、ブレーカーが作動して自動的に落ちます。以下の手順で行います。
①アンペアブレーカーを上げます。
②漏電ブレーカーを上げます。
③安全ブレーカーを1つずつ上げていきます。
仮に、漏電箇所があった場合に安全ブレーカーを1つずつ上げていくと、漏電ブレーカーが落ちてしまうところが出ます。
そこが、漏電している部屋ということになります。
漏電している部屋が分かれば、その部屋の安全ブレーカーを落としておくことで他の部屋の電気は使えます。
●漏電による火災の予防
最後に、漏電による火災の予防策を解説します。
1)アース線で予防
アース線は地面に電気を流すための道の役割をします。
電化製品にアース線を付けると、万が一絶縁体の不具合で漏電したとしても感電せずに済み、火災も防げます。
2)漏電ブレーカーで予防
漏電ブレーカーを設置していると、絶縁機能が低下した際は自動的に電気を落とします。
現在の住宅にはほぼ100%漏電ブレーカーが設置されていますが、仮に中古住宅に住んでいる場合はすぐに確認すべきです。
●まとめ
漏電の原因には様々なものがありますが、基本は絶縁体の機能不全です。
電気代やブレーカーなどで漏電の危険性を感じたら、安全を図るため速やかに専門業者に調査や修理を依頼すべきです。