住宅からマンション、ビル、ショッピングモールや学校、工場など、様々な建物が建設されています。
その完成にかかるまでには、様々な工事があり、さまざまな作業員が関わっています。
その中で今回は「電気工事」について解説したいと思います。
建物が完成するまでの電気工事の流れについて知ることにより、今使っている電気がもっと身近なものに感じられるかもしれません。
電気工事の流れ(接地工事)
多くの場合には内装に電気設備を設置するだけといったイメージかもしれません。
しかし、建物によっては建設前の地盤調査から早々と電気工事が関わることになります。
たとえば、20mを超える地盤であれば、電気に影響のある「雷」に対する保護設備が必要になります。
地中梁工事の進み具合によって、この接地システムの電気工事が必要になります。
電気は危険性の高いものであり、雷が発生したときに感電、火災などに繋がります。
また、機器の損傷によってそうした事故が起こってしまいます。
それを防止するために接地工事が必要になるわけで、接地銅板(銅棒)などを埋める工事を行います。
電気工事の流れ(配管工事)
建物を建てるためにはコンクリートを打ち込む型枠工事を行います。
その際、天井材や照明器具などを取り付けるためにボルトを取付けるのですが、それに必要になるインサートという部材を取り付ける工事も行います。
流れとしては鉄筋工事と並行して行います。
電線を通すための配管であったり、機器を取付けるためのボックスを取り付けたりといった流れ作業です。
また、電気工事では壁にも、型枠工事などの流れの中でスイッチやコンセントを取り付けるためのボックスや配管、電線を通す穴などを取り付けます。
電気工事の流れ(配線工事)
型枠が外されてからは、打ち込んだ配管に異常がないかのチェックをしながら清掃作業も行います。
次に、配管に電線を挿し込んでいきます。
電気工事は、壁のみならず天井にもおよび、天井の下地工事を行う前にスピーディーに天井内に配線や機材の取り付けを行うことになります。
こうした電気工事は、内装工事の流れに合わせて設置を進めるので、作業員の連携も必要になります。
照明器具やコンセントなどから配線が集まってくるので、今度はそれを分電盤内のブレーカーや端子台に接続する作業も行います。
ここからは、ようやくコンセント設備やLAN配線の電気工事に移ります。
ちなみに、屋外では受変電設備を設置する作業も同時進行で行います。
電気工事の流れ(器具取り付け)
ここからは、私達もよく知る照明器具の取り付け工事になります。
建物によって調光センサーの設定を行ったりします。
オフィスビルや学校などでは、外光の明るさに応じて照明器具の明るさを自動調節する機能付きの器具も設置する場合もあります。
電気工事の流れ(検査)
分電盤や動力盤の配線接続が済んだら、絶縁測定を行うことになります。
漏電していないか、問題がないかをしっかりチェックします。
建物によっては高圧引込設備では耐圧試験を行い、安全基準をクリアしていることをチェックします。
このように電気工事では建築基準法、消防法等に基づく検査をしっかり行い、受電となるワケです。
いかがだったでしょうか。建物が完成するまでには、様々な工程があるのですが、電気工事にも安全性の高い工事が必要になることも少しは理解ができたのではないでしょうか。
工事に遅れがでないために、他の作業と連動・連携して行うことにより、工期に遅れないことに努めてもいます。
また、トラブルが発生しない最終確認は依頼主にも立ち会ってもらうことでチェックを完了し、安全な工事が行われています。